|
会員レターインデックス
活動記録インデックス
研究プロジェクト
Gallery
第33号(2006.09.01)
第32号(2006.06.01)
第31号(2006.03.01)
第30号(2005.12.01)
第29号(2005.09.01)
第28号(2005.06.01)
第27号(2005.03.01)
第26号(2004.12.01)
第25号(2004.09.01)
第24号(2004.06.01)
第23号(2004.03.01)
第22号(2003.12.01)
第21号(2003.09.01)
第20号(2003.06.01)
第19号(2003.03.01)
第18号(2002.12.01)
第17号(2002.09.01)
第16号(2002.06.01)
第15号(2002.03.01)
第14号(2001.12.01)
第13号(2001.09.01)
第12号(2001.06.01)
第11号(2001.03.01)
第10号(2000.12.01)
第9号(2000.09.01)
第8号(2000.06.01)
第7号(2000.03.01)
第6号(2000.01.01)
第5号(1999.09.01)
第4号(1999.06.01)
第3号 (1999.03.01)
第2号(1998.12.01)
創刊号(1998.09.01)
|
|
ここでは一部を掲載しています。
西九条の家― 生家は西山鉄工所跡地
川口亜稀子(Liv設計工房主宰)

西九条の家― 生家は西山鉄工所跡地
川口亜稀子(Liv設計工房主宰)
今から20年程前、OLをやめて建築の仕事を志し学校へ通い出した頃『住み方の記』を友人から借りて、西九条の家の章を読んでびっくりしました。西山夘三さんが住んでいた場所に星印がついているのですが、どう目をこらして見ても私が生まれ育った家と同じ場所なのです。
西山家が西九条から藤井寺へ引越したのは、昭和13年。その頃、祖父は西九条の表通りに面した鉄工所をまかされ、鉄鋲やネジを専門に作っていて、木造3階建てのハイカラな家に住み結構豊かな暮らしをしていたようです。我が家から西山鉄工所までの間は、迷路のような路地と長家がひしめきあうようにあり、職工さん達がたくさん住んでいて、西九条の人口密度は高く呑み屋や芝居小屋もたいそう賑やかだった様子です。西山鉄工所は長い塀に囲まれた大きな鉄工所だったと幼かった父の記憶にもしっかりと刻まれていました。
終戦を迎える2ヶ月前の空襲で、西九条の町は一瞬に焼け野原となりました。隣町の学校に避難していた父が、安治川トンネルをくぐって、西九条に入った時に目に写るのは、西九条小学校の校舎だけ。すべて焼失してしまっていた風景は生涯忘れられないと言っていました。その3年後、石炭の山となっていた所に家を建て住みはじめたのが、今の場所であり元西山鉄工所のあった所だったのです。
『住み方の記』がきっかけで我が家のルーツも知る事となり、建築それも住宅を造っていきたい私にとって、西山夘三さんと同じ場所で生まれ育ったことが、大きなささえとしてずっとあたためていました。お会いする機会があればお伝えしたいとひそかに思っていましたが、機を得る事なく他界された事を知りとても残念でした。
その数年後、『安治川物語』を本屋さんで見つけさっそく購入し読み終えた時、かけがえのない本を手にいれた喜びでいっぱいになりました。夘之助氏のサクセスストーリ−としての面白さもさることながら、我が町の歴史や人々の生活が鮮明に伝わってくるのです。
明治から昭和初期までのストーリーなのですが、世代を越えて私自身の幼い頃の風景と重なる事も多く懐かしい思いです。その頃も鉄工所はたくさん残っていて、町の住環境も悪く光の入らない6帖一間のアパートで、4人家族が肩寄せあって生活していました。また安治川に木船がたくさん停泊し、水上生活をしている友達もいました。工場からの煙りで光化学スモックが発生し、小学校の運動場に赤い旗が出ると、その日は外で遊べませんでした。もちろん安治川も汚れがひどくどぶ川に成り果ててました。
だが今では、鉄工所の数も減り、芝居小屋だった明治座も壊され、町はずれのへんぴな安治川口や桜島にはUSJが出来て賑やかになっています。
『安治川物語』には私にとっても大きな教訓が含まれています。職人の町で育った私にもやはり職人気質が根づいています。「日本一の職人」とまで志しは高くないものの、住宅を造りたい思いで設計事務所に13年勤め、独立して5年が過ぎました。細々ながらも人を雇う事業主でもあります。儲ける事や、事務所を大きくする事よりも、一つひとつていねいな仕事をして、施主に気に入っていただく事だけを考えて今迄やってきているのですが、その気質を大切にしながらも、先の展望を考える大きなきっかけとなりそうです。夘三さんの伝えたい事を私なりに解釈し、大切な西九条の土地を守りながら、これからも住宅を造り続けていきたいと思っています。
|

<NPO西山記念文庫>
ご来館の時はあらかじめメールにて、お早めにご連絡ください。
開館日 木・金・土 13:00〜17:00
(ただし休日は休館)
〒619-0224 京都府木津川市兜台6-6-4 積水ハウス総合住宅研究所内
E-mail
:
npo@n-bunko.org
(c)The Uzo Nishiyama Memorial Library
All Rights Reserved 2002.
|