活動記録 1999年度

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◆第5回文庫・積水交流研究会  1999/10/8(事務局)
 10月8日、テーマ 持家化社会のすまい・まちづくり について、森本信明先生(近畿大学理工学部教授 住環境計画)を講師に迎え、研究会をもちました。
 持家社会の進展は、所有権にもとづく利用の範囲が大きいというところに基礎をおいていること、第二には、「所有」から「利用」のトレンドが生じているといわれ、また定期借地権付住宅、つくば方式、スケルトン・インフィル方式、終身利用権方式など、従来の持家と借家の中間的な形態も生まれています。近年の地価下落や世帯の変動に見るように所有の絶対性がゆらぎ、多様な利用の価値を最大化するための試みが登場しつつあること、第三には、戸建持家による都市住宅の良質化の問題提起がありました。
 21世紀の住宅政策を構想する上で重要であること。短期決戦研究と実践、供給者と需要者による息の長い着実な交流から方向を見定めたいことなどを学びました。 

◆第1回運営委員会(議事録抜粋)  1999/10/8(事務局)
(1)NPO認証に伴う第1回理事会開催および記念事業の企画について
・次期総会は2000年6月上旬。
・略称は「NPO西山記念文庫」に決める。
・お披露目の記念事業をする。シンポジュウム、企画展。1年ぐらいは無理との意見も強かったが、全国で(東京、九州、名古屋、大阪、京都、あるいは北海道も)3日ぐらいのシンポ+展示(文庫の店の間の展示が始めで巡回)をする方向でいちおう決まる。ただし地元で中心になってくれる人を募る。
・展示も視野に入れ文庫の資料整理をもう1歩進める。
・日記は50年経つと発行してもいいのでは?「日記研究会をしよう!」
(2)NPO認証に伴う「新パンフ」「営業用パンフ」の編集企画について
(3)「夏の学校」の反省と「来年度の夏の学校」の企画について
(4) HP改定について
(5)店の間の新展示企画について→全国巡回を視野に入れ検討する。

◆NPO設立記念イベント企画について(抜粋)  1999/10/21(広原盛明)
 9月4日、NPO設立総会が成立しました。
 その後、申請書類を京都府に提出。受理され、11月後半の認証をまつばかりです。
 20世紀の最終年にNPO法人スタートを記念して、全国各地で「巡回記念イベント」を開催できないものかと考えつつあります。
NPO西山記念文庫・全国巡回企画展示会及び記念シンポジウム(仮称)
< 趣旨>
 西山記念文庫のNPO発足にともない、これまで多大の支援をいただいた全国の方々に謝意を表するとともに、文庫所蔵の戦前から戦後にかけてのすまい・まちづくり資料の公開を通して、わが国における住宅研究・住宅計画学の発展と住宅政策の展開の軌跡を検証し、あわせてすまい・まちづくり論からみた20世紀の特質を論じる。
< 内容>
(1)企画展示会
 第1企画は、これまで5年有余の歳月をかけて整理してきた西山夘三関連資料を機軸とする戦前・戦中・戦後(1930〜1955年)の住宅研究、住宅調査、住宅政策等資料に基づく「戦前・戦中・戦後のすまい・まちづくり資料企画展示会」(仮称)の開催である。資料展示の第1の柱である西山夘三関連資料は、現在、著作・論文・調査報告等の資料整理をほぼ完了し、戦前の写真やスケッチの画像処理も相当進んでいる。
 資料展示のもう一つの柱は、戦中から戦後にかけての住宅政策関連資料の企画展示である。現在、住宅営団資料については国内外資料の蒐集が本文庫の復刻研究会によって精力的に進められており、これに公営住宅及び住宅公団発足当初の関連資料が付け加われば非常に興味ある内容になるものと思われる。
(2)記念シンポジウム
 第2企画は、企画展示会とセットで行う「記念シンポジウム・すまい・まちづくり論からみた20世紀」(仮称)の開催である。企画展示会は原則として同一資料の巡回展とするが、記念シンポジウムは主題は同一であっても具体的な内容や力点は開催地によって異なるのが当然なので、開催地ごとの多彩なシンポジストの起用が不可欠と考えられる。
(3)資料解題の発行 (略)
<日時、会場及び開催方法>詳細は議論の中で決める。

◆西山夘三日記研究・事始め  1999/10/22(西村一朗)
 1級の一次資料としての西山日記は、研究史研究の上で避けて通れないものであろう。そこで、来年の企画展示に向けて少し作業を始めた。まず、戦前の日記類については、もう50年以上経過しているし、西山先生自身が、2冊の本で自らの戦前の研究史を明らかにしているので、公開に踏み切り、編集・公刊も出来ればしたら良い、と思う。そこで、現在のところ余り問題がなさそうな戦前のものを読み始めた。これが又面白いのであるが、例の字なのでつかえつかえ読んでいる。昭和10年代の西山先生が大学を出て、結婚前の、又例の「食寝分離論」前の1冊のノートは、日を追っての日記というより、頭にある様々なコンセプトについて公私、ジャンルを問わず小文でまとめているものがある。そこには、その後、きちんとまとめられた「標準設計」についての覚え書きもあるし、「禿頭の効用」といった項目もある。これを見ていて、スケッチと共に音楽にも執着している西山先生を発見した。「出来ればピアノの出来る女性と結婚したい」との文言も見える。

◆第2回運営委員会(議事録抜粋)  1999/11/1(事務局)
(1)NPO認証に伴う記念事業の企画について
いろんな意見が出ましたが、東京・大阪の2会場に企画をしぼり、その内容を追求し一生懸命取組む。その後文庫で常設展とする。
・時期は5月連休明けから6月ごろ?
・場所の検討。内容や講師にお願いしたい先生の議論。東京と大阪会場にそれぞれのについて話し合う。担当者決め、東京での打合せは11/6を予定。
・次回、第3回運営委員会(11/26)で企画を具体化する。展示については、どのような形で実行できそうか、内容を具体的に提案していただく。分担も決まる。
(2)「夏の学校」の反省と「来年度の夏の学校」の企画について
(3)その他
・NPO法人認証に伴うマスコミ発表(12月?)に向け準備をしていく。

◆「建築の研究」誌への投稿の折りに考える  1999/11/5(西村一朗)
 「建築の研究」12月号に掲載されることになり、私としては、広原盛明理事長の「建築雑誌」年報1999への掲載論文とともに読んで欲しいと願っています。
 菊岡さんと手紙でのやりとりの中、私は「成熟社会では、将来のことばかり云々すると言うより、半分は過去を顧みつつ、半分は将来を展望する、いわば半顧半望(はんこはんぼう、私の造語)が重要。その意味で、研究史が大切、西山記念文庫は、そのネットワークの核と位置づけられる」と。大学でも「アーカイブズ」(公文書保管所)が情報公開の動きとも連動して取り上げられつつあります。西山記念文庫の取り組みは、その意味でも先駆的・研究的な取り組みと言えるでしょう。そのネットワークの各節は、縦には西山夘三の「先生と弟子筋」ですが、横には「今 和次郎、高山英華、玉置豊次郎、吉阪隆正、池辺 陽、佐々木嘉彦、・・」の諸先生方です。こういう情報化の時代ですから基本的に電子情報ネットワークとし、どうしても現物に触れる必要のある場合には出向くといったネットワーク型の「アーカイブズ・ミュージアム」に成長するだろうと予想していますが、どうでしょうか。

◆文庫活動ふたつのアイデア  1999/11/8(西村一朗)
(1)NPO記念展示について・・・美術館、博物館のように目玉な物があっても、展示をどうするか。現在、戦前の日記類を探索して、展示をどうするか考え中である。美術品なら、ぱっと見ればとにかく「分かる」。文章は、全体の展開を追って行かないと理解できない。そこで、一つは、現物の拡大コピーを手に取るように置くこと、もう一つは特に注目すべき所を更に拡大し展示することだ。その際、あの分かりにくい文字を一部ワープロ化すべきであろう。日記以外に戦前の物で是非展示したいのは西山先生の学位論文の複製製本である。写真は、人の広がりが分かるように選んだらよいだろう。
(2)すまいとまちを訪ね語る会の開催・・・これは安藤イツ子さんとの共同アイデアと言っても良い。西山先生も、ある時に「住宅クラブ」が将来出てくるかも・・と言っておられるが、自分の家との対比であれこれの家を深く理解したいという要求が広く出てきていると思う。そこで、住宅だけでなく、まちも含めて訪ね語る会を実費で気軽に行ったらどうか。市民版としては、多くの変わった家の多い、近辺を探索(滋賀から兵庫まで)、専門家(卵)版としては、西山夘三訪問地へ行く。その際、記念文庫にはスケッチの得意な人材も多いので「スケッチ講座」も行うというのはどうだろうか。

◆『日本のコミュニティー』を共同テーマに!  1999/11/12(西村一朗 )
 西山夘三著『日本のすまい』の序言に「この作業に取り組んでいて、日本のコミュニティーという課題もあると思ったが、時間がないので別にゆずりたい・・」といった趣旨の発言があったかと思う。これは西山先生の一つの「遺言」でもあると考えて、記念文庫集団で取り組んだらどうだろう。一つの共同テーマである。もちろん、社会学等でも取り組みがあると思うが生活と空間の絡み合いでの取り組みは我々の真骨頂ではなかろうか。

◆第4回 住宅営団研究会開催(抜粋) 1999/11/12(広原盛明)
1.概要
(1)第4回研究会は、1999年11月6日(土)午後1時〜5時、東京神田の如水会館において開催された。出席者は、安藤、海老塚、大月、菊岡、塩崎、冨井、広原、前田、森本、栗原、清の計11名である。
(2)主たる議題は
・内田文庫及び水田資料の補充資料に関する報告(大月)
・追加蒐集資料に関する報告(各自)
・海外営団資料リストの紹介及び解題シナリオについて(冨井)
・復刻資料の巻構成と解題方法について(広原)
2.補充資料に関する報告
(1)菊岡から「営団理事長・添田敬一郎」に関する資料紹介。
(2)安藤から西山文庫ボックス資料の「営団改革趣意書(西山)」等に関する資料紹介。
(3)塩崎から京大建築学科図書館所蔵の「営団敷地配置図」等に関する資料紹介。
(4)大月から西山文庫ボックス資料の「図面資料」等、また内田文庫資料と営団設立に至る資料紹介。
(5)冨井からソウル大学(旧京城帝大)図書館を中心にして作成した「朝鮮住宅営団関係資料リスト」に関する紹介。
3. 住宅営団に関する解題シナリオについて(冨井)
4. 巻構成、編集責任者及び解題担当者(案)について(広原)
5. 今後の作業の進め方について(広原)

◆西山先生が出来なかったこと  1999/11/19(西村一朗)
 昔、神戸で毎年やっていた拡大ゼミ(D論ゼミ)で、「我々は当然、西山先生を超えることを目指してやるべきだ」と発言したらMさんが、「それはなかなか難しい」と言ったことを良く覚えています。でも西山先生が出来なかったことは多々あると思います。
 この前に言った『日本のすまい』に続く『日本のコミュニティー』もそうですが、他にまさに我々が今やっている、先人の資料整理ということも西山先生が出来なかったことです。そういう意味で我々は、西山夘三の弟子ではあるが「エピゴーネン」ではないとの気概で取り組むべきと思います。

◆ 文庫訪問記  1999/11/19(中国建築技術研究院 開 彦)
 西山夘三先生の業績についてはかねてより耳にしておりました。
 生涯の大半を一般住宅の研究に費やされ、著しい貢献をされました。今日、住宅分野における「住まい方学」「居住心理学」「居住社会学」等の理論の多くは西山先生の思想にその源があり、現代住宅で流行している「食寝分離」「居寝分離」「公私分離」の学説もまた、西山先生の理論から発しています。それらは今なお居住学の発展の原動力であり、現代住宅をより高次なレベルに押し上げる導き手となって、住民のため現代居住文明と精神文明の新たな時代を創造しつづけています。
 中国は、量重視のモデルから質重視のモデルへ向けて発展しています。日本の住宅専門家の協力と共同研究により、住宅の理論と実践は飛躍的な向上を見せ、「住居学の理論」「住まいの実態調査方法」「住まい方研究」はすでに中国の住宅研究の各分野へと浸透しはじめ、重要な役割を果たしています。
 文庫で懇切な説明を受けながら拝見し、住宅の研究というものは、その関連する分野がまさに大海のごとく広大であり、研究の内容とその影響力は大海のような深さを持つものであることを感得しました。まさに我々が一身を奉げ奮闘するに値する仕事と再認識しました。
 見学を通じて、私は中国の社会や建築界の一部に見られる住宅研究や住宅技術あるいは住宅の仕事に携わる人間を見下すような態度に理のないことを一層確信するに至りました。そして、確固たる信念をもって臆することなくこの仕事にまい進し、住宅事業に身を置く青年達を導いてしかるべき貢献をしていこうと決意を新たにしました。

◆ 文庫訪問記 99/11/24(大月敏雄 東京理科大学)
 先日、西山文庫を訪問した。3回目である。広原先生を主査とする「住宅営団研究会」で、刊行予定の『戦時・戦後復興期住宅政策資料/住宅営団(仮称)』のための資料整理が目的であった。書庫の中は、私のように西山先生をその著書でしか存じ上げない者にも、大変解り易い資料のレイアウトで、目指す資料がどの辺にあるかがすぐ解るようになっている。これはひとえに、西山文庫の運営委員の方々による精力的な整理作業のお陰であり、各資料に貼り付けてあるラベルの手書きの文字を見るごとに、そのご苦労に感謝せざるを得ない。
 西山文庫所蔵の住宅営団関連資料は、文庫の膨大な資料の中ではごく一部であるのだが、その資料的価値は極めて高い。住宅営団関連の資料といえば、東京都公文書館の内田祥三文庫が有名であるが、内田文庫には住宅営団の上層部の資料(理事会資料など)を中心に納められているのに対し、西山文庫には、現場の第一線で活躍する技術者としての西山先生の周りに存在した生々しい資料がたくさん所蔵されている。住宅営団の全貌を知ろうとすれば、必然的に西山文庫を渉猟しなければならない。今回渉猟したのは、いわゆる「袋資料」と呼ばれる、雑資料の束であった。他の多くの営団資料は、報告書の形でまとまって見やすいのだが、袋資料には手書きのメモ、私信、そして、青焼きの図面や営団住宅のパンフレットが埋もれていて、整理していて飽きることがない。1泊2日で袋資料を整理しようと思ったのだが、袋資料の3分の1しか整理できなかった。まさに玉石混淆である資料群の1点1点をチェックしていくには、膨大な時間が必要である。が、西山文庫のある積水ハウス総合住宅研究所は快適な空間であるばかりでなく、「あわさい」という安くておいしい食堂も完備されているので、長時間の渉猟作業にはうってつけである。そのうちまた暇を見つけておじゃましなければならない。

◆第6回文庫・積水交流研究会  1999/11/26(事務局)
 「日本と北欧にみる家族とすまい・まちづくり」をテーマに、交流研究会をもちました。約40人が参加。社会学の見地から、立命館大学教授の中川順子先生にお話をしていただきました。
 ノルウェー環境省地域計画課専門官のコットゥゴール・ユディーさんからは、「地域づくりにおける女性の参画」についてノルウェーの取組みが紹介されました。
 戦後における日本の家族政策の展開が話され、家族とは国の制度によって、大枠を決定される。また、「自立した女性と男性からなる家族」がこれからの男女共働参画社会における家族の形態になるのではと。北欧の家族政策の立脚点には、個人単位、中立性、男女平等の3つの大原則がある。家族の形態よりも「家族を支える社会の仕組み」の中で女性の自立が促進されているなど。
 研究会後の茶話会では、ユディさんを囲み楽しいひとときを持つことができました。「昼の時間、街に人があふれている。肩がぶつかることに驚く。」と日本都心部での第一印象。働かない人々の多さを指摘されたようでもありました。人口が少ない、また<みんなで働き、みんなで平等に社会を支える国>ノルウェーからからこられた女史の一言に考えさせられました。

◆第3回運営委員会(議事録抜粋)  1999/11/26(事務局)
出席者:広原、三村、西村、安藤元、塩崎、中林、坂東、森本、安藤イ
(1)NPO認証に伴う記念事業の企画について
(2)NPO法人認証にともなうPR<3つのポイント>の検討   
@「夏の学校」の発展継続、インターシップ提携(単位授与)をめざす。
A個人のすまい・まちづくり研究資料収集(アーカイブズ立上げネットワーク形成支援)。
Bすまい・まちづくり先端研究シンポジューム開催(今後の方針)。
(3)今後の交流研究会について

◆NPO法人認証にともなう記念シンポ打合せ  1999/11/29(事務局)
 11月29日、来年度開催予定のシンポジューム企画の打合せが、東京でもたれました。「20世紀の住宅・建築・都市計画分野における知的遺産をいかに残すかー現状と課題ー」(案)で、主旨、意義、現状について意見交換がされました。企画展およびシンポジュームの内容についても運営委員会の討議をふまえて、さらに検討されました。

◆12月7日 NPO法人認証の記者会見(抜粋)  1999/12/4(事務局)
<NPO法人西山記念文庫の特色及び事業計画>
1.わが国最初のすまい・まちづくりに関する
  「NPO研究アーカイブス」
 現在、戦前・戦中・戦後60年間(1930年〜90年代)の西山夘三関連の住宅・建築・都市計画に関する研究資料約10万点を、年代別・テーマ別に整理して公開しています。主な資料は、@著作、論文、講義ノート、調査報告等に関するオリジナル原稿、挿絵、図版、初版本、A戦前から戦後にかけての全国各地の住宅や街並みの写真のネガ・スライド(10万枚程度)とスケッチ2300点、B日記(1927年1月〜1994年2月)、フィールドノート、名刺、書簡類(1931年8月〜1994年2月)、C同潤会、住宅営団、戦災復興院、住宅公団など戦中戦後期の住宅復興政策資料などです。
 これらの資料に基づく事業計画として、
 第1は、住宅営団復刻資料(日本、朝鮮、台湾、中国)を中心とする「戦中戦後期住宅復興政策資料集」の刊行。
 第2は、現在、急速に散逸しつつある個人及び組織所蔵の研究資料等の保存・整理・活用の方途を探るために、東京・大阪で「住宅・建築・都市計画分野における20世紀の知的遺産をいかに継承するか」と題するシンポジウムと企画展示会を開催(2000年5〜7月)します。これはいわば、すまい・まちづくり分野におけるわが国最初の「NPO研究アーカイブス(archives: 記録保管所)」としての問題提起です。
2.128人の博士学位取得者を擁した高度で多様なすまい・まちづくり専門家集団
 個人会員382人のうち、349人(92%)が、研究者・建築士・プランナー・コンサルタントなどのすまい・まちづくりの専門家であり、建築学会225人(59%)、都市計画学会146人(38%)、都市住宅学会147人(39%)の正会員です。所属も大学172人(45%)、民間部門116人(30%)、公共部門53人(14%)等と広く分布しており、博士学位の取得者は、工学博士115人(30%)、学術・法学・経済学・医学博士等13人(3%)、計128人(34%)に達しています。地域的には、近畿地方239人(63%)と関東地方82人(22%)が多く、合わせて321人(84%)と大半を占めます。
 この特色を生かして、1999年夏に開催した全国の建築・住居・都市計画系大学院生を対象とする「夏の学校」をさらに発展させ、2000年度から各大学・大学院との提携により「すまい・まちづくりインターンシップ事業」(単位授与)を立ち上げる予定です。また、すまい・まちづくりに関する実務家の職能研修事業として「すまい・まちづくりリカレント講座」を開催します。
3.持続的に発展する「研究ミュージアム」
 第1に、全国のすまい・まちづくりに関する研究資料を研究者個人や関連組織から系統的に蒐集し、当該分野の研究資料センターとして広く内外に公開することを目指していること、第2に、本文庫を拠点として、すまい・まちづくりに関する最新情報や先端的研究の交流を行う機会を設け、すまい・まちづくり研究の学術交流拠点(COE)としての発展を目指している点にあります。

◆第4回運営委員会(議事録抜粋)  1999/12/21(事務局)
12/21の運営委員会出席者(6人) 広原、三村、松本、室崎、中林、安藤イ
(1)記念事業の企画について
・東京会場は未定だが、5月27日で決定。1/10の営団研究会の後、世話役の会合が予定されている。
・大阪会場は次回1月28日には決める。
展示のグランドデザインは三村先生にしていただく。以下の担当の先生はそれぞれのイメージを相談してほしい。これも次回運営委員会で決める。
書簡→中林
日記→西村
解題→海道・森本
不綴資料・原画→安藤元
画像(写真・スケッチ)→松本
(2)新規事業などについて コンサルや受託事業とは異なる新しい取り組みにしたいが、どういうかたちなら可能か。理学療法、医学療法では進みつつあるが、文庫サイドでは何ができるか。1年目の予備調査の後、科研(自治体と共同のプロジェクト)などでも取組めたらよい。精華町・木津町との共同企画の第1号にしていけないか。D論のテーマとしてやる人はいないか。文庫側の実働の中核になるの組織の検討をしていく。
(3)その他 助成金申請についてなど

◆第5回 住宅営団研究会開催(抜粋)  2000/1/10(広原盛明)
 第5回住宅営団研究会は、2000年1月10日の10時〜17時に東京・学士会館で開催されました。出席者は、(安藤、大月、大本、海老塚、菊岡、冨井、広原、前田、森本)と出版社(栗原、清)の計11名です。
 営団資料の蒐集はほぼ終了し、全資料を5分類して復刻することになりました。
(1)同潤会末期から住宅営団成立に至るまでの厚生省関係資料、
(2)住宅営団の法令、機構、予算、事業などに関する資料、
(3)住宅営団建設局工務課を中心とした住宅・住宅地計画と施行に関する設計・技術資料、
(4)住宅営団研究部の調査研究資料、
(5)住宅営団閉鎖にともなう事後処理方策及び労働組合関連資料です。なお、住宅営団関連資料(個人名の住宅営団に関する文献など)も関連資料として蒐集し、復刻するかどうか検討することになりました。

◆東京企画展及びシンポジウムの打合せ会議(抜粋)  2000/1/10(広原盛明)
 打合せ会議は、同日の17時〜19時まで学士会館で行われました。
 出席者は、東京から中島明子、吉田あこ、内田雄造、海老塚良吉、延藤安弘、中村攻、佐藤隆雄、関西から安藤、森本、広原の計10名です。
(1)会場に予定されているところは交通条件や規模・設備等で申し分ないが、展示場所が狭くて貧弱ではないか。
(2)「20世紀の知的遺産の継承」というタイトルは大きすぎて焦点が定まらない上に、こんな大変な課題を西山文庫が実践的に担える条件があるのか。
(3)西山文庫の苦労話だけでは駄目で、重要なのは文庫資料からどんな素晴らしい成果が読み取れるかだ。
(4)資料展示は労力的にも費用的にも大変な仕事になる。
(5)参加人数が多いに越したことはないが、問題は何を獲得目標にして多い少ないかだ、などなどです。

◆「農村建築研究会」の50周年記念シンポジウム  2000/1/22(西村一朗)
 1月22日、東京の建築会館(田町)で「農村建築研究会」の50周年記念シンポジウムがありました。農村の景観問題がテーマでした。このシンポジウムの共催に「西山記念文庫」が入っていました。「記念文庫」からは広原理事長、西村副理事長等が参加しました。広原理事長は最後のまとめの挨拶で、この50年の過程で、農村の課題は「団子(食料増産)より花(景観保全)」に変わって来たようだが、後50年もすると確実に農村を支える「人」の問題が大きくクローズアップするだろう、と予測を述べられ感銘を与えられました。夜の懇親会では、懐かしい浦良一さんとか下河辺ちほ子さんとかにお会いしました。「記念文庫」顧問の青木正夫先生、石田頼房先生も来ておられました。今和次郎資料にかかわる荻原さん、吉坂隆正資料にかかわる重村さん、等にもあって交流を深めました。広原さんに浦先生が「吉武資料の整理にかかりたい」旨の発言もあったようです。

◆文庫訪問記  2000/1/20(木戸 功 早稲田大学人間科学部)
 1月20・21日、西山文庫をはじめて訪問しました。社会学の立場から家族を研究してきた私にとって、住宅というものは基本的に専門外の領域でした。しかし、家族と住宅とを切り離してとらえることはむしろ不自然で、実際、住宅を論ずる側からは家族について踏み込んだ議論がしばしばされています。戦前からの蓄積も大きい家族社会学という領域において、住宅に関する体系立てられた知見が提出されてこなかったことは不思議ともいえます。
 こうした疑問から、数年前から住宅や住居に関する文献に目を通すようになっていました。家族と住宅という組み合わせが一つのテーマを形成する時、ともにそれぞれのオルタナティブが模索されるような問題化や認識が共有されているように思われます。こうした状況はしばしば「多様化」という言葉によって裏書きされます。
 われわれがいままさにそれを過去のものとしようとしつつある戦後の家族や住宅の在り方が、実際問題としてもまた、学的な問題としてもどのように形成されてきたのかということが問われなくてはならないように思われます。私の関心は、戦後のとりわけ高度経済成長期を通じて定着したといわれる、近代的な住様式がどのような知的背景のもとで形成されまた実現していったのかを探ることであり、とくに住宅計画学のような領域において戦後的な「新しい」住宅の在り方に関する諸議論とたとえば社会学のような領域における知見とが同時代的な状況という枠内において互いにどのような関係にあったのかといったことを探ることにあります。
 西山先生の諸論考は現在も出版されており、私のように専門を異にするようなものにも比較的簡単に手に入れることができますが、それぞれの原著に当たることが何よりも重要であり、そうした「原著」のみならず、それにいたる草稿や研究ノートのたぐいまで所蔵されていると聞き、訪問となり、多くの収穫を得ることができました。とりわけ、西山先生の営団時代(東京在住時代)の草稿や研究ノートのたぐいには、個人的に非常に興味深い記述が散見された。通常ではなかなか目にすることのできないであろうこうしたドキュメントが広く公開されていることには大きな意義があると思われます。また同時にその維持、管理に努める関係者の方々の活動には頭が下がる思いがしました。
予約はしましたが東京からの突然の訪問者に、懇切丁寧に対応をしていただきました。また時間をつくって伺いたいと思っております。


◆第5回運営委員会(議事録抜粋)  2000/1/28(事務局)
運営委員会出席者(5人) 広原、三村、安藤元、松本、安藤イ
(1)シンポジウムと展示会について、次ぎのことが決まる。
@開催時期は、大阪10月、東京11月頃とする。
A大阪、東京の会場の検討をし、下見の計画をたてました。
C展示シナリオについては、三村、安藤、松本から構想が出されたが、最終的には会場の下見を終えてから考える。
D展示準備のために春休みと夏休みに集中作業日を設ける。
E次回運営委員会(3月17日午後1時から5時)において、企画展の最終決定をする。
(2)共同研究について
(3)夏の学校
・次回運営委員会で企画を提示してもらう。
・8月3・4・5日(木・金・土)、韓国延世大学の院生8人と交流会の日程など。
・ワークショップの会場、宿舎はならまちの予定。

◆第7回文庫・積水交流研究会  2000/2/4(事務局)
 米国のコミュニティ住宅の経験〜非営利組織による住まいづくりの可能性〜をテーマに、講師平山洋介先生(神戸大学発達科学部助教授 住宅政策・都市計画)から報告をいただき研究会をもちました。出席は約30名でした。
 主にニューヨークを中心にコミュニティ住宅の経験、非営利組織による住まいづくりの可能性について、工業都市 →脱工業都市、フォーディスト・シティ →ポスト・フォーディスト・シティ、パブリック・シティ →マーケット・シティ、統合都市(中産階級) →破砕都市、社会運動 →新しい社会運動、と社会が変化してきたことを、またフローの空間/場所の空間、都市の限界についてお話されました。
 都市の居住問題では住宅の払底、移民流入による需要圧力があること、不動産の放棄がされていること、ビル一棟が1ドルで売られていることなど現状が報告されました。
 そういう中で、コミュニティ住宅の開発で最も重要で唯一機能しているCDC とは何か?
 日本の住宅・居住政策も、政府主導のものから、地域に根ざす自治体と非営利組織のパートナーシップへと移行しつつあるという。米国の実例をスライドで紹介していただきながら、日本では考えられない米国の住まいづくりの実際をショックを受けながら学びました。

◆東京企画展会場打合せ  2000/2上旬(事務局)
 東京企画展の会場打合せのため、広原、安藤元はそれぞれ会場を見学し、東京担当の和洋女子大学中島明子教授と会場の企画プランナーとで打合せをしました。

◆続・東京企画展会場打合せ  2000/2/21(事務局)
東京会場に予定されている会場の全体を見学し、三村・吉田あこ先生、中島明子・佐藤隆雄・村山さんが担当者と打合せをしました。全体スケジュール、会場スペースセミナー、宣伝、レセプション、資料・書籍販売など。6月の総会までに内容検討、大阪を含めて展示の構想および担当者、予算を決めたいと思っています。会員の方のご協力とご支援をよろしくお願いします。

◆資料解題改定版の打合せ  2000/2/25(事務局)
資料解題担当の海道・森本先生と事務局で改訂版編集の打合せをしました。秋に予定している企画展およびシンポジウムまでに発行できるようにしたいと思います。

◆第3回西山景観まちづくり賞で文庫のPR! 2000/3/4(事務局)
 西山景観まちづくり賞の顕彰式があり、松本滋先生(姫路工業大学教授)が写真のネガ・プリントの整理作業から見えた住宅学者西山夘三の世界と西山記念文庫についてお話をされました。

◆英語版ホームページ作成しましょうか  2000/3/6(神吉紀世子 和歌山大学システム工学部環境システム学科)
 京都から和歌山に引っ越してから、近いような遠いような中途半端な距離感に、ついつい、文庫まで直接でかけていくことが減ってしまいました。地理的有利をいかせば、西山先生の子供時代の夏の定番、御坊市名田地区の面影をレポートしてみようかな、とも思いつつ、まだ行っておりません。また、オンライン作業でお手伝いできることでしたら、もっと何かできるかもしれません(我々、最若年世代のあたりは、わりに全国に散っていますので)。
 英語版URLも作られることになるかと思いますが、そのような辺りでお手伝いできるものでしたら

◆第6回運営委員会(議事録抜粋)  2000/3/20(事務局)
運営委員会出席者(12+4名)(運営委員)広原、三村、塩崎、安藤元、室崎、霜田、海道、中島明子、森本、松本、中林、安藤イ(他)谷(大市大)、新谷(住まい情報センター)、寺西興一、内山進
(1)シンポと展示会について
・テーマの検討
・東京大阪会場共通事項確認
<東京会場>
・会場と日程の検討
・展示のこと、スペースの問題
・シンポジウムのテーマの検討
<大阪会場>
・下見報告
(2)夏の学校
・8月3・4・5日(木・金・土)
・3日夕食は韓国延世大学の院生8人と交流会をする。
・ワークショップの会場―ならまち
・次ぎのステップに向けて、単位の認定の方向への働きかけ今回どうするか?
(3)総会および今後のスケジュー
(4)その他
・会計の締めと京都府への報告について
・HPの英語版→神吉さん(和歌山大学)「しましょうか?」
・リソグラフ購入の件
・8号レターの内容と執筆依頼状況


<NPO西山記念文庫>
ご来館の時はあらかじめメールにて、お早めにご連絡ください。
開館日 木・金・土  13:00〜17:00

(ただし休日は休館)
〒619-0224 京都府木津川市兜台6-6-4 積水ハウス総合住宅研究所内
E-mail : npo@n-bunko.org

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